11     「仙台城大手門脇櫓(隅櫓)」を考える : 何も知らせず「仙台の象徴」…?

◆ 「大手門脇櫓(隅櫓)」は、「仙台城址」において、唯一姿ある建造物です。多くの市民、観光客から、仙台城の象徴…として、復元された建造物…として容認されており、その姿、映像は、仙台を紹介する多種多様な場面で活用をされています。しかし、このままで、多くの方々に実態を知らせず黙認したままでよいのでしょうか…?復元とは何か、考えてみませんか…!◆

「脇櫓(隅櫓)」は戦前、「大手門」と共に「国宝」として指定され、明治以来、多くの市民に愛されてきた建造物でした。この建造物は、別に残っていた「巽門」と共に、昭和20年7月10日の「仙台大空襲」により消失し、「仙台城」の残された姿のすべてを失ってしまいました。



大手門1.jpg




 現在、かつての「大手門・脇櫓」の建っていたところに残る、「仙台城脇櫓(隅櫓)」は、宮城文化協会編の「仙台城歴史散策」によると、昭和42年12月25日に竣工、これに尽力した「復興期成同盟会」から、仙台市に寄付されたものとしています。しかし、仙台市文化財保護委員会編の「仙台城」に於いては、「復興期成同盟家」ではなく、野口増蔵氏の発企で「仙台城脇櫓」の再建がすすめられ、木造漆喰塗込みの工法で、工費2,000万円で、これがなされ、寄付されたと記されています。これについては、どうも事情が込み入っているようではっきりとはしません。


  野口増蔵さんについては「仙台城歴史散策」のなかで、知人である早坂徳治さんが次のように書いています。「出身は栃木とか茨木と聞いていました。建築請負業者で、仕事の関係で仙台に来て、落ち着いた方です。消失した隅櫓と大手門の再建を望み「隅櫓期成同盟会」の郵便為替講座を設け、資金集めもしていました。自分の私財を大分投じて、債権に尽力されました。最終的には市から援助していただけたようですがね。野口さんは大手門再建案も出したが、みんなが耳を貸さないと憤慨していました。野口さんの作った大手門の模型は戦災復興記念館にありますよ。」とあります。

同じ本の中でこの再建については、昭和39年の「東京オリンピック」まで「隅櫓」の再建を完成させようと期成会が結成され、会長には三浦県知事、副会長には島野仙台市長、宮脇商工会議所会頭で、仙台市観光課に事務局が置かれ寄付を募ったとあります。しかし、募金活動が計画通りならず、先の野口増蔵氏の意気と尽力が大きかったようです。設計、監督については、小倉強先生、飯田須賀喜斯先生と記されています。しかし、先生方がどこまで関わったか、調査資料と大分違うだけに疑問です。

A) 仙台城脇櫓(隅櫓)の現在と過去

DSCN2548.JPG
   現在の「脇櫓(隅櫓)」

隅櫓大手門側.jpg
   戦前の「脇櫓(隅櫓)」

 戦前「国宝」指定時の姿と、似てはいるけど、違うよね…!

: 縦横高さのバランスの違い

: 屋根、瓦 形状納まりの違い

: 鯱、懸魚 形状の違い

: 軒の反り・・・なし、ある

: 軒の出寸法の違い・・・

: 床下部通気開口部・・・ある、なし

: 破風納まりの違い

: 庇形状の違い

: 狭間形状の違い

: 化粧金具・・・なし、ある


◇ 内部の現在と過去 ◇
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 昔の内部写真


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 現在の内部写真


B) 残存資料

◇ 明治時代、師団司令部の測量絵図 ◇


img183b.jpg竣功録➀.jpg











 東北帝国大学 小倉強先生研究室で測量した図面と、佐藤巧先生研究室で整理した図面(一部) ◇


img110.jpgimg107.jpg


隅櫓測量立面.jpg













復元資料としては、充分すぎる位、確実な資料が残っています。

「仙台城」のすべてを失った時代、新たな歴史の旅立ちの為に発起した先人たち、紆余曲折があり、事を急いだ「城郭再生」だったかもしれないが、再生し早50年以上、充分にその役目を果たしたのではないでしょうか。

文化財と何か? 歴史的建造物は何か? 観光とは何か? 保存とは何か? 再生活用とは何か?

 文化財の在り方については、近年、大きくその取り組みが変わってきつつあります。文化財保護法の改訂、文化財復元、活用について新たな視点での再生が認められるようになってきています。又、国土交通省、農水省、文部省 三省起案で制定された「歴史まちづくり法」等、まちづくりと歴史を組み合わせた展開が認められるなど、素人市民も、立ち位置を見直す時が来ているようですが、いかがでしょうか…!













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